2018.08.23

売買、賃貸を合理化する不動産プラットフォーム事例

テクノロジーの進歩は、不動産業界の実務的な部分にも多大な影響を与えている。IT化が進む以前は賃貸物件を探すにも街の不動産さんに出向き、間取り図の貼り紙を見て気になった物件があれば相談する、というのが一般的だった。

賃貸物件の雑誌が出版され、インターネットで物件を閲覧することができるようになってからも、実際に内見をする際には物件を取扱っている不動産屋さんに足を運び、内見の予約をし、FAXで書類をやりとりし…という流れは現状も残っている。

そんな不動産売買や賃貸のフローにも、技術によってより合理化しようという試みは多く生まれている。その事例を紹介していきたい。

OpenDoor Labs

オープンドア・ラボは、アメリカのオンライン買取再販業のパイオニア。
家を持つ売り主は、その住所、築年数、修繕履歴等を入力すると、アルゴリズムによって価格が算出され、オファーメールが見積もりとともに届く。その額に納得がいけば、ホームアドバイザーと電話で詳細を話し、正式なオファーへと進むのだ。オンラインで署名後、実地での住宅診断、正式な見積もりへと移行する。

手数料は平均6.7%と、全米平均の5%よりは若干高めであるものの、買い手へ購入後30日間のキャッシュバック保証、2年間の住宅修繕保証をつけることで、ユーザーの不安を解消。オンライン査定の手軽さで敷居を下げることで、急速にシェアを拡大している。

2017年には、10億ドルの買取り実績を達成。2018年には30〜40億ドルを目標としている。煩雑で長期化しがちな不動産売買を、できる限り簡素化・可視化し、不安要素を取り除くという、合理化では最先端のサービスと言えるかもしれない。

Instant Offers(インスタント・オファーズ)

アメリカ最大手の不動産検索サイトZIllowを運営するZIllow Groupが、Instant Offersという不動産売買サービスを開始。売り主が住宅の情報を入力すると、48時間以内に買い手側の投資家、もしくはZillow Groupによる即時購入オファーを受け取ることができるというサービスだ。

48時間というのはあくまで仮の査定額で、不動産鑑定士による実地の査定を踏んでから正式な見積もりとなるとはいえ、サービス名の通り驚異的なスピードである。

スピードだけではなく、ユーザーはZillow Groupと、他の仲介業社からのオファーを受けて比較することができ、その透明性や、最大手であるZillow Groupの安心感からシェアを伸ばしてゆくことが予想される。

Sell on your schedule(あなたのスケジュールで売る)というキャッチコピーの示すように、いかに売り主にとってメリットのあるサービスを提供するかが、不動産売買サービスの肝である。

不動産の売買、賃貸は、高額なものでもありこれまで慎重に手続きと時間をかけて行われてきた。一連のプロセスが効率化されれば、それだけ取引はスムーズに進み、売買、仲介に関わる全員にとってプラスになる。データ処理の技術が進み、インターフェースも洗練されていくことで、これだけのサービスがすでに動いているのだ。今後はさらに不動産取引が身近なものになってゆくことだろう。