2018.08.23

すでに売買実績も。不動産テックのブロックチェーン活用の道

ICT技術の進歩によってあらゆる業界が影響を受け、変化が起きているが、不動産業界も例外ではない。国ごとに法律や慣習などに違いはあるものの、大きな進歩の流れは不動産業界を変えつつある。ひとつの大きな軸となっているのが、日本では暗号通貨(仮想通貨)の技術として知られる、ブロックチェーンの技術だ。

ブロックチェーンとは?

ブロックチェーンとは、取引データを扱う技術。個別の取引データを「トランザクション」といい、トランザクションをまとめて「ブロック」化したものを、チェーンのようにつなげたものをいう。中央で管理するのではなく、複数のユーザーが分散して管理する「分散型」であること、すべての取引が残る「不可逆性」が特徴で、取引にまつわる物事に利用される可能性が広がっている。

その第一歩として、ビットコインなどの暗号通貨としての仕組みが出来上がり、すでに取引が行われている現状だ。

暗号通貨以外のブロックチェーンの活用事例

暗号通貨以外でも、ブロックチェーンの活用は各分野で進んでいる。

・農業
野菜の段ボールにQRコードをつけ、読み込むと収穫日、種の購入先、生産者などが表示される取り組みが実験されている。化学肥料や農薬を使わない本物の有機栽培野菜の価値の証明として、ブロックチェーンが利用されているのだ。

・エンターテインメント
興行ビジネスにおいては、チケットの二次流通や、偽装チケットなどの問題がつきまとっているが、ブロックチェーンの仕組みを利用すれば、適正価格での流通が可能となる。
また、ゲーム内通貨としても利用され始めている他、音楽や絵画などの著作権管理などにも応用されている。

・医療
IT産業に投資するエストニアでは、政府全体のIT管理にブロックチェーンを用いている。
そのセキュリティを活用して、電子カルテを共有し、どこの病院でも自分の病歴や処方箋などを参照できる上、他からのアクセスがあればそれも履歴として残るため安全性が担保される。

これらの例は一部だが、あらゆる産業でブロックチェーン活用の道が模索されている。

不動産におけるブロックチェーン活用の道

そしてもちろん、不動産分野においてもブロックチェーンとの共存は模索されている。

ウクライナでは、ブロックチェーンを使用した不動産取引が行われ、注目を集めた。ウクライナは政府を挙げて導入に力を入れており、土地登記に活用したり、ブロックチェーンを通じて投資を集めるなど先進的な実験を行ってきたのだ。

イーサリアム(Ethereum)という暗号通貨のブロックチェーン技術を使い契約のプロセスをスムーズに行うスマートコントラクトという仕組みを利用し、Propyというアプリ経由で、暗号通貨で不動産代金の支払いを行い、登記が書き換えられるまでのプロセスを完了。信用を担保するというブロックチェーンの特性を、不動産契約に応用した実例であり、今後の展開が期待される。

不動産に限らず、いまだに紙をベースにしている契約にかかるコストやプロセスが省け、安全性に多くの人が信頼を寄せることになれば、契約はブロックチェーンに入れ替わり、取引が活性化することになるだろう。