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社内勉強会「SUUMOソト大学」第4弾
「2017年の不動産市場と資産価値競争時代の家探し」

  • 対談
  • 住まいトレンド
  • 2017年4月17日

“住まいカンパニーの外側を知る”をコンセプトに、業界の先端事例について理解を深める試み「SUUMOソト大学」。毎回、住まい・暮らし領域における外部の専門家、企業を招き、業界の最前線を学ぶというもの。第4回となる今回は、「2017年の不動産市場と資産価値競争時代の家探し」をテーマに開催された。

価値を維持・向上できる物件は15%ほど

マンションを資産という観点で購入する人が増えている。そして新築マンション価格の高止まりや中古流通の拡大など変化の兆しが見えた2016年の不動産市場。これから先の不動産市場においてどのようなシナリオを描くことができるのか?ゲストスピーカーに、不動産コンサルタントを務める株式会社さくら事務所代表取締役会長の長嶋修氏と住宅ジャーナリスト・榊マンション市場研究所主宰の榊淳司氏を迎え、今回の「SUUMOソト大学」は開催された。

まず、最初に登壇いただいたのは、株式会社さくら事務所代表取締役会長の長嶋氏。「2017年の不動産市場の中古流通拡大の動き」をテーマに解説していただいた。

長嶋氏 未来の不動産市場は三極化すると言われているます。具体的に言うと、15%は価値を維持・もしくは上昇し、残りの70%は徐々に下がり、残りの15%は無価値、もしくはマイナスの価値になってしまう、ということです。

そのような状況の中、新築マンション価格の値上がりを受けて市場の変化が起きているという。

長嶋氏 新築マンションは高くなり、中古マンションと比べるとその差は開いています。それなら中古マンションを買ってフルリノベーションをした方がお得だというマインドが必然的に生まれ、首都圏の中古マンションは好調に推移しています。

これらの問題を受けて、それでも不動産を買う場合、どのような物件を購入したらいいのか。

長嶋氏 以前から言われている首都圏における西高東低、または「の」の字型の価格上昇がまずあります。江戸城を中心に千代田、中央、港、新宿、渋谷といった都心、城南地区、城西地区、城北地区、城東地区、はたまた東京、神奈川、埼玉、千葉の順番に変動します。加えて、常住人口を示す夜間人口と、生産年齢人口が増加傾向にある田園都市線沿いは狙い目だと思います。その理由は、人口密度が小さいほど1人当りの行政コストが増大してしまうので、満足いく行政サービスを受けられなくなるからです。




ブランドよりも物件の状態 鍵をにぎるのは管理の良し悪し

続いて登壇いただいたのは榊氏。榊氏はこれまでにモデルルームを1000件近く見学し、マンションのパンフレットを1000冊以上作成してきた、いわば新築マンションのプロ。東京23区のほぼ全ての新築マンションを網羅した「資産価値レポート」は購入検討者にとって貴重な情報として注目を集めている。

榊氏 マンションの資産価値は、約9割は立地で決まります。では、どこがいいのか。山手線の内側とその周辺部の駅から徒歩5分以内が理想的ですが、誰もが買えるわけでありません。それ以外の路線の場合、路線の先に何があるのかが重要となります。例えば東横線は横浜までつながっている分、さらなる発展の可能性はあります。その観点では、横浜、小田原、その先には名古屋や大阪がある東海道線も強いということになります。

そう路線の考え方や見方について語る榊氏。続いて気になるマンションそのものはいかがだろうか。

榊氏 よく私のところに来る相談内容で、『中古のマンションを買う際、どのブランドがいいですか?』というものがあります。しかし大切なのはブランドよりもその物件の状態。最初の10年間に不具合がないような施工精度の高い物件を選びたいものです。



では、物件の状態を知るために有効な手段は何なのか。そのひとつが「管理」であると榊氏は話す。


榊氏 マンションが日本に誕生して約50年の間、建て替えた事例は全国に200件ほどしかありません。しかし、これから築50年、60年という物件が増えてくる中、老朽化したマンションをどう修繕したり建て替えたりするのか、円滑な議論を進めるには管理組合の意識の高さや合意形成力が欠かせません。総会議事録を過去3年分取り寄せて熟読するなど、これまでどのような管理が行われてきたのかを明確にしておくと良いでしょう。

立地適正化計画にも注意

続いて、SUUMO編集長の池本も登壇し、トークセッションが行われた。

池本 結局のところ、今、買いなのでしょうか?

長嶋氏 新築マンションは高くなっていますが、厳選すればリスクは抑えられるので、条件付きでありではないのでしょうか。

榊氏 販売ペースが鈍り、完成在庫も増えていると聞きます。そのような中で、値引きを始めるようなことが起こり始めたら、買うのを検討するのはありではないでしょうか。

池本 ありがとうございます。続いて、もし今から購入するとしたらどういう目線で物件を選ぶのがいいのでしょうか。

長嶋氏 ひとつの指標となるのが立地適正化計画で指定された範囲の中かどうかだと思います。各自治体が都市機能を充実させるエリアを絞決め居住誘導を図っていく計画です。

池本 ありがとうございます。昨今中古流通ビジネスへの参入を進めている会社が増えていますが、どう見ていますか?

榊氏 これからのマンション業界は、中古ビジネスが主役になるはずです。今までは一生に一度、家を買っていた時代から、5、6回と複数回買うのが当たり前になるのではないでしょうか。どんどん参入すべきだと思います。



トークセッション後、中古ビジネスにおいて、さらに長嶋氏から解説があった。

長嶋氏 日本は新築を買った瞬間から資産価値が目減りしていきます。結果、住宅が資産として役割を果たせていないのが現状です。だからこそ、質の高い中古住宅の流通をどれだけ高められるかがポイントとなります。国土交通省では、各所に分散している不動産取引に必要な情報(過去の取引履歴、周辺環境に関する情報等)を集約した、不動産総合データベースの整備・運営に力を注ぐなど、政府も積極的に力を入れています


など、中古流通ビジネスの今後の展開についてご説明いただいた。そして、最後の質疑応答では、参加者たちも積極的に質問を投げかけ、今回のソト大学は終了した。住まいカンパニーのビジネスの今後にかかわるテーマだけあって、参加者たちは一同に真剣な眼差しで講義を受けていた。