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社会課題を解決する取り組みで
都心一極集中型に風穴を開ける新しいスキーム

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  • 2017年4月 6日

これからのマンションに求められる付加価値はなんだろうか。三井不動産レジデンシャルが供給する分譲マンション「パークホームズ流山おおたかの森ザ レジデンス」の共用施設で実施される、マンション、NPO法人、自治体が三位一体となった流山コソダツ計画は、そのヒントになる取り組みかもしれない。
「パークホームズ流山おおたかの森ザ レジデンス」の共用施設にはキッズルームが設けられ、敷地内には認可保育園もある。子育てファミリー向けの施設が充実した物件だ。流山コソダツ計画では、ここにソフトサービスを組み込んだ。
具体的には、衣食住、文化、スポーツなど、秀でた芸を持つ市民先生を招いた体験型プログラムを実施したり、異学年での交流を促す対話スタイルを取り入れたりすることで、子どもたちが自分から“学び”たくなる子育て支援プログラムを実施。これは、「放課後NPOアフタースクール」が企画して運営する。マンションは体験という機会を提供、自治体は、活動場所や告知の支援を行うといった仕組みだ。
三者がそれぞれの強みを生かしつつ、入居者の子育てに関する悩みの解決を促すと共に、地元住民を巻き込みながら地域を活性化させていく新しい取り組み。この三者を結びつけたのが、リクルート住まいカンパニーの一営業担当者だった。


郊外に人を呼ぶ新たな取り組みは、カスタマーが暮らす地域全体の「不」の解消だった

首都圏営業1部に所属する渡部正雄が、流山コソダツ計画の原型となるプロジェクトに着手したのは、2013年の秋。働きながら子育てする世帯が増加する中で職住近接の風潮が強まり、都心物件への集中が加速。都心の分譲マンション市場は好調だった。一方、郊外大規模案件では新しい集客手法が求められていたという。
渡部は「SUUMOはクライアントに広告を出稿していただくビジネス。しかし、今後増えていく郊外物件では、これまでのような通り一遍の広告では限界がきてしまう。だからこそ、こちらから積極的に付加価値を押し出した広告を作る必要がある」と考えていた。
マンションの付加価値とはなんだろうか。それは、カスタマーの「不」を解消することだ。一般的には設備や公共の施設に注目されがちだが、その先があってもいいのではないか。カスタマーだけでなく、カスタマーが暮らす地域全体の「不」の解消。渡部が取り組んだのは「社会課題の解決」だった。


クライアントと自治体、NPO法人を結びつけて新しい価値を創造

マンションを建設して売ることと社会課題の解決。一見すると、なかなか両者は結びつきにくい。そんななか、渡部の頭に浮かんでいたのは、ある研修で聴講した「放課後NPOアフタースクール」の講演だった。
「彼らは、平日には、放課後の小学校を活用したアフタースクールを開校し、週末には企業・団体等と連携し、子育てプロジェクトを展開していました」と語る渡部。折しも、自らも子どもが生まれたばかりの時期。保育園の不足、子育てで頼れる人が少なくなった社会、子育てにまつわる課題が多いことは理解していた。
「だからこそ、この取り組みをマンションのソフトサービスでやったら面白いのではないのか。すぐにそう思い、自分が担当する大手クライアントの三井不動産レジデンシャル様に話を持っていきました」
先方の感触は悪くなかったという。ただし、マンションでソフトサービスを作り込んで販売するのは業界でも初めてのこと。「本当に集客できるのか、その実現性を突き詰めて話し合ったことを憶えています。既存の広告で集客できるのは購入検討者層。子育てに興味がある潜在層にどうリーチするかが課題でした」と渡部は振り返る。そんなときに役立ったのが、自らの子育て経験だ。
「自分も含めて、子育て仲間はみんな、自治体から情報を得ていたんです。そこで、すぐに流山市に協力を申し入れました」
実は流山市は子育て支援が手厚い自治体だ。ただし、自治体なので特定のマンションに肩入れするわけにはいかない。そこで渡部は、「将来的にはマンションだけでなく、地域の公民館などでも同じ取り組みを考えている」と説得。地域活性化にもつながることを理解してもらい、協力を取り付けた。ここに、マンション、NPO、自治体が相互に補完しあう関係が実現したのだ。



「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」を具現化できた仕事

渡部は「マンションに付帯するソフトサービスを考えて提案し、広告に反映させる。そんな新しい営業スタイルを生み出すことができたと思っています。リクルートの旧社訓に“自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ”という言葉があります。今回の仕事は、まさにそれを具現化したものでした」と語る。
「リクルート住まいカンパニーの営業は、単に広告を取るだけではありません。これからは、利益を生み出す兆しを見つけて育てることが大事になってくる。一見、難しそうですが、強い営業力と優秀な制作スタッフや編集部員が揃っているリクルートならできるはず」と渡部は胸を張る。
営業にとって会社の利益はもちろん重要だが、その先には、地域活性化を通じた社会課題の解決さえある。これからのリクルート住まいカンパニーの営業に必要な核が育ち始めている。