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新築マンションの購入ハードルとは何か?
モデルルームの「自由見学」で
よりよい住まいと出会える機会を増やしたい

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  • 2017年9月27日

新築マンションの販売において、モデルルームやマンションギャラリーへ事前予約をし、個人情報を提供したうえで見学に行くというのが一般的だ。
その慣習から脱却し、『自由見学』というスタイルを取り入れたことで、マンション購入検討者にとっては、理想の住まいと出会える機会を増やし、マンションデベロッパーにとっては、見学にくる来場数を増やし、SUUMOメディアにとっても新たな価値創造につながるという「三方よし」を実現。
2016年当時、首都圏営業部で担当していた齋藤洋祐さん(現・分譲マンション営業統括部支社営業部 福岡・広島G)から、その実現に至るまでのプロセスと、この仕事を通じた想いについて語ってもらった。


より良い住まいに出会えていないカスタマーへ、機会を提供したい

ある不動産会社からの転職で住まいカンパニーに2012年に入社したという。かつての会社では、新規顧客開拓のための営業が主な業務で、チラシのポスティングや電話営業、時にはお宅に訪問などに奔走する日々だったという。

「少しでも興味を持っていただけたら、買い物途中の主婦の方でも、モデルルームへと案内していました。半ば、無理やり見学していただいたというのが本当のところ。でも、いざ案内をしてみると住宅設備や構造、ドアなどの建具といった細かなところにも感心し感動してくれる人がいました。それで、10~15人にひとりぐらい実際に購入してくれる方に出会うんですよね。」

その経験から、「機会が無いだけでより良い住まいに出会えていないカスタマーがいる。」という確信があったそうだ。一方で、カスタマーにとって新築マンションのモデルルームは、見学に行くと拘束される時間が長く、営業されること、個人情報を提供しなければならないことへの不安が大きいなどのハードルがある。その狭間に自分が提供できる価値があるはずだという想いを抱いていた。

慣習を脱却できる転換期を迎えていた、不動産マーケット

「住まいカンパニーへ転職し、驚いたのはSUUMOというメディアが真摯にカスタマーと向き合っているということ。新築マンション購入検討者の不としては、物件の検討段階で公開されている情報が限定的でよく分からないという点があります。それに対し、SUUMOでは多くの住戸の間取りの掲載や物件価格をWEBで公開することを推進。さらに近隣住民の声などエリアの情報も独自の手法で提供することで、SUUMOのメディアの価値をあげるとともに、検討者の不の解消につとめていました。」

上記の取り組みをもってしても、ここ数年の価格高騰などから新築マンションの販売においては、集客に苦戦する物件が増えていた。一定数の資料請求があってもなかなか来場につながらない。つまり、興味があってもモデルルームに行かない、停滞している検討者がいるということだ。ここにもまた検討者の不があった。

「前職で経験したように、実際にモデルルームを見学することで、カスタマーの検討意欲は変わります。また、詳しい情報や価格などをSUUMOで確認し、その上で来場したカスタマーは検討確度も上がっていました。必要なのは検討者が来場するためのハードルを下げてあげることでした。」

新築マンション購入を検討するために、モデルルームに訪れると1件で2~3時間かかってしまうことが一般的だ。近年は共働き世帯が増え、モデルルーム見学にかかる時間の長さに抵抗を感じる人もいる。これらのハードルを解決するために齋藤さんのチームは、モデルルームの『自由見学』という見学手法を仕組み化した。


予約なし。接客なし。個人情報取得なし。より自由な見学を。

担当していた物件が抱えていた集客課題。マーケットの状況変化とともに来場が激減。従来同様の広告では反響があっても来場に至らないという状態になっていた。

「新築マンションマーケット全体の構造と似た状況だったため、この物件を縮図として捉え『自由見学』の仕組み化導入における検証材料としました。『自由見学』の提案に対して、デベロッパーは当初、決して良い反応ではありませんでした。しかし、受付アンケート内容の工夫、物件理解を促す見学ルートの設定、また、見学終了後の出口でのアンケートなど、効果も図れるようにSUUMOチーム側で全体フローを設計し、トライアルしていただきました。」

通常行われる不動産会社の営業担当とのやりとりをなくして、モデルルーム見学だけに切り取ったものが『自由見学』である。マンション検討者にとっての、見学のハードルとなっていた「予約」「アンケートでの個人情報の取得」「長時間の拘束」といったことを排除し、再来場についても検討者自身にゆだねる仕組みだ。

トライアルの結果は、“自由見学はやったこともあるが、パッとみて終わりで次につながらないよ。”と懐疑的だったデベロッパー側の反応に対し、通常予約の来場者に迫るほどの人数が『自由見学』で来場。また、懸念していた再来場から契約までの実績も出始めたことで、事業としてマーケット全体に対する取り組みとして提案できる土壌が整った。


『自由見学』特集による、検討者とマンションデベロッパーとメディアへの価値創出!

齋藤さんのチームでは、トライアルの成果と課題、その解決策などを組織内でブラッシュアップしていった。そして、フリーペーパーの「SUUMO新築マンション」内に特集ページ「自由見学できるモデルルーム特集」を企画。より多くのカスタマーが『自由見学』できるように告知した。

「不動産会社やマンションの規模に関わらずに、『自由見学できるモデルルーム特集』に参画いただくことができ、結果的に当該号のSUUMO新築マンション首都圏版のご掲載物件のうち30%近い物件に掲載いただくことができました。また、『自由見学』で来場された方の約1/4の方が再来場を中心とした次の検討ステップにつながりました。デベロッパー側にとっては、広告などでの情報提供だけでは出会えなかった検討者との新たな接点を増やすことができたといえます。今はさらなる進化として『自由見学』で来場した検討者の検討意欲がより高まるよう、一人ひとりに合った情報の提供、物件説明もできる仕組み化の開発にも着手したいと考えています。」

この『自由見学特集』は、全国で広がっており、各地域でマンション購入に至った事例が次々と報告されている。マンションデベロッパー各社からは“これまでの広告では呼び込めなかった方の来場があった。”などの評価を得て、今後も期待が膨らんでいるようだ。一方、カスタマー側の声として“見たい物件があれば、1日で複数回れる。気に入ったら予約して詳細を聞けばよいので、まずは気軽に行けるのがいい。ひとりでも下見的に見学できそう。”など、上々だ。

より多くの不を解消し、住宅を身近に、住み替える機会を増やしたい

『自由見学』特集をきっかけにデベロッパー側からもさらに自由見学を広げる展開に繋がれば、と齋藤さんは語る。その根底にある想いとは、齋藤さんを動かしているものとは何だろうか?

「多くの人にとって、住宅というものが身近になる、住まい選びの選択肢が広がるような機会を増やしていきたい。住まいカンパニーではSUUMOメディアを使い多くのカスタマーを動かすことができる。今働いている広島は、エリア特性などからマンション購入者は少数派といわれています。しかし、マーケットを盛り上げ、マンションという選択肢もあることを一人でも多くのカスタマーに知ってもらいたい。広島に限らず、マンションでも新築と中古、戸建や賃貸と様々な選択肢がある住宅という大きなマーケットの中で、まだまだ動けていないカスタマーがいるんです。よりよい住まいに出会うために住み替えを考える機会を増やし、キッカケをつくりたいと思っています。」

広島に異動し首都圏と異なる視座が開かれ、社会・業界の課題、アタリマエとされる慣習にも疑問を感じ、現場接点からしかつかむことのできない、誰かの不を解消するという目的のために真摯に向き合い続けていきたい。住まいカンパニーという組織は、そうした想いに応える環境であることが魅力的だと齋藤さんは語った。