INTERVIEW

佐古 龍
横断UX・横断プロダクトマネジメント

世に与える価値が全て。
そのために自分だからできることを追求したい

2016年に新卒で入社し、1年目から複数のサービスの開発に貢献した佐古龍。その根底には「世の中に価値を生み出したい」という気持ちがあるのだという。新規事業を生み出し続ける背景にはどんな考えがあるのか語ってもらった。

佐古 龍
横断UX・横断プロダクトマネジメント

AR・VR を取り入れたサービスを多数展開

入社してから最初の1年は、新規性の高いテクノロジーの事業活用を検討するチームに所属し、AMP対応やARを使ったプロダクトのリリースを行いました。チームでは、内製のエンジニアリングによって、新しいテクノロジーを事業に活用していくアプローチを取っていました。

ただ、色々な技術に対して内製開発だけでアプローチしていくのは難しいと感じ、事業提携によるアプローチができないかを役員に相談。そうして2年目以降は、役員直下で国内外のスタートアップとの事業提携を担当しています。自社だけではできないことを、自社のアセットと外部企業の強みと掛け合わせることで、非連続的な事業成長を作り出すことが現在の仕事です。

具体的に進めていた案件の例は、アメリカのMatterport社(マーターポート)が提供する3Dを使った、新規商品です。専用のカメラで、1邸分の空間データを撮影し、高解像度の立体画像を作成。オンラインで物件1邸を内覧することができるサービスです。まるで物件内を歩いて見学しているかのように、室内をあらゆる角度から閲覧できるのが特長です。

この他にも、国内外の会社と連携した企画をいくつか仕込んでいます。この1年で、個人的により力を入れたいのは、海外企業との提携。3D技術を生かしたサービス以外でも、海外の方が進んでいるものが多くあるので、そういった企業とのアライアンスにより国内事業を成長させていくこと。また、反対に海外進出していく可能性も含めて検討しています。

重要なのは世の中への価値。
一番早くインパクトのある方法で

現在進めている事業開発案件は、比較的新しいテクノロジーを使ったものが多いです。ただ、決して技術発信でものを考えているわけではありません。どちらかといえば、技術よりもユーザーの体験が重要だと思っています。テクノロジーにより、ユーザーの体験が根本からより良いものになることだけが重要だと思っています。

また、この会社で、自分が何か新しいことをやるときに意識していることが2つあります。1つは世の中に価値があるかどうか。もう1つは自分にしかできないかどうかです。自分にしかできないというのは、1つは自分自身のスキルやバックグラウンド的に自分にしかできないかということ。もう1つは、起業や別の会社ではなく、リクルートでやることに意味があるかです。

3Dで物件を見られるようにしたいという話は、僕自身が住宅情報サイトを使っている際に感じていた課題を解決するために行ったことです。高校から大学に進学した時、また大学から就職した時と、様々な住宅情報サイトを利用していましたが、一番大切な物件自体のビジュアル情報が、数年のスパンで全く改善していないと感じていました。自分が住む家を探しているのに、部屋の画像がほとんど載っていない、見たい場所が見られない、画質も良くないという状況は、どう考えても「不」。ここを根本的に向上させることができないのかを思案していました。

また、その実現にあたっては、ゼロから事業を作り上げるよりも、リクルートの中でSUUMOという大きいメディアとMatterportというテクノロジーを組み合わせた方が、最も早く、そして根本的にこの課題を解決できると考えました。

また、それをやる上で、スタートアップの文化に対して理解があることや技術面の造詣が深い部分が自分の強みだったので、そういった企業との事業提携は、社内では自分にしかできないと考えていました。

自分が解決したいと思う「不」はたくさんありますが、この会社ではないところでやる選択肢も常に持っています。3年後にならないと 社内でできないとなったときに、資金調達してスタートアップを立ち上げた方が良いのであれば、そちらを選択するようにしたいです。

個人的には、そろばんは大切ですがリクルートの事業にどう貢献したかではなく、世の中に対して何の価値を生み出したのかが一番大切だと思っています。なので、世の中に価値を生み出すことが、自分にとっては一番大きなことで、そのための選択肢としては色々な手段を常に考えています。

「フリクションレス」を実現して
業界全体に影響を与えたい

破壊的イノベーションは、テクノロジーによって摩擦をなくして世の中が便利になる「フリクションレス」が実現されること。出張などで海外に行くたびに、UberやLyftを使ってタクシーに乗っていますが、タクシーを乗るという体験が、限りなくフリクションレスで提供されていていつも感動します。

UberやLyftなどに限らず、テクノロジーによりある体験が限りなくフリクションレスになっていくことが、イノベーションの一つだと思います。その中で、住宅領域には、まだ多くの摩擦が残っており、家を探すことはまだまだ快適ではないと感じています。

例えば、家を借りようと思っても、問い合わせた物件が空室なのかいちいち確認しなくてはならなかったり、体験としては摩擦だらけ。入りたい家があったのに、いちいち確認した結果入れなかったら、引っ越しする気すら失せてしまいます。同様に、家を買うときや売るときにも不要な摩擦が起き、本当は引越しをしたらより良い生活が待っていたかもしれない人が、その摩擦により引越しをせずに終わってしまうということになってしまいます。

そのため、まず家探しについて、摩擦を減らした体験を作り出したいです。3Dにより、現地に行かなくてもオンライン上で多くのことが判断できるようになるのは、その一歩目にすぎない。家探し全体が簡単になるように尽力したいです。

例えば、アメリカでは、家の売却について多くのスタートアップがたくさんあり、新しい体験を提供しています。家の売却を数日で終えることができたり、売却価格を保証してくれるようなサービスもあります。日本でも同じようなことができると思います。

リクルートという会社では、50億から700億に事業を成長させてある業界の仕組みを根本から変えた人など、すごい人たちがいるので、自分自身が生み出している価値がまだまだ小さいことに悔しさを感じています。なので、今後はますますスピード感を持って、今取り組んでいるサービスを形にしていき、早く社会的にインパクトがあるものを生み出していきたいです。